小さなころから自宅に犬がいて、身近で欠かせない存在であった。そんな家族同然の犬が病気になったとき、それを自らの手で治したい、救いたいという気持ちを持つのはごく自然の事で、小学生のころから、将来は獣医師になる、という方向性を持っていた。
中高生になってもその思いは揺らぐどころか強まるばかり、大学での獣医学科への進学と繋がっていくのであった。大学においては先端の獣医療に関する見地や技術に触れ、卒業後の活躍する姿を想像し夢膨らむばかりの毎日を過ごしていた。
そんな想いが初めて揺らいだのは、新米獣医師として社会に出、実際に動物病院にて勤務開始してからである。大学では、充実した機械と豊富な種類の薬を武器に、ただ病気を治すことに執心できていた。しかし現場は微妙に想像とギャップがあった。検査をすればもっと詳しく病気のことがわかるのに、それを望まない飼い主さん。治療費の問題から高度な治療を受けさせられない飼い主さん。最新の知見を思う存分発揮できないもどかしさ、そして諸々の事情で動物の命を救えない不条理さ、一時期は他の職業への転職が頭を過ぎったこともあった。
それでも獣医師を続けてこれたのは、治療によって元気になる犬の姿、そしてそれを喜んでくれる飼い主さんの笑顔があったからだ。犬の背景には必ず飼い主さんがいて、お互いに助け合いながら生活している。思えば、自身が子供のときも愛犬との何気ない日常が幸せであった。かけがえのない家族のため、ただ病気を治すだけでなく、飼い主との幸せな生活をサポートするのが獣医師の仕事である!このように考えるようになって、抱えていた苦悩は消え去った。
独立開業し、院長として日々の診察を行っている現在でも、犬に対して最高の治療を受けさせたい、という気持ちは変わらない。ただ、その治療が飼い主さんの負担となってしまっては、相互の幸せな生活環境を築くサポートができているとは言えない。というわけで現在では、犬の症状や年齢、そして飼い主さんの想いをくみ取った中で、そのご家族にあったオーダーメイドのサポートを心掛けている。すべての犬が飼い主との幸せな生活を送っている世界を目指して・・・
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