私が動物に興味を覚えたのは8歳のとき、家族でアメリカ・イエローストーン国立公園へ旅行をし、非常に印象的な光景に出会ってからである。その光景とは、朝靄がかかる大草原でたたずむ、数万ものアメリカバイソンの大群。車の窓を開けると聞こえてくる草を食む音と、鼻腔に飛び込んでくる千切れた草の匂い。そしてなによりも、数万の大群が悠然と佇んでいる姿に、大自然や動物の雄大さを実感したのだった。中学・高校時にも動物への想いは消えず、休みのたびに海や山で動物観察に勤しんだり、動物園で観察をしたり、の日常だった。
このような体験から動物に関心を抱いていた私は、動物関係の仕事を志して大学で獣医学科に進学したのであった。そこで得た最大の価値、それは「動物」という共通点を持った同志である。「動物」という共通点を持った同級生40人が大学の6年間苦楽を共にする。この経験を通じ、自分の手で動物のために貢献したい、という気持ちから、動物のために貢献しようとする仲間をサポートしたい、という気持ちへと変わった。私と同じような動物への熱い思いを持った人間は数多くいる。だが、彼らが熱い思いで動物に当たるための社会的地位やサポート体制はとても充実したものとは言えない。ではその実情を把握している私がそのサポート体制を築いていこう、この思いからだ。
動物関係の仕事をしている方、もしくは志している方は、「動物が好き」という純粋で熱い気持ちをもっている方が多い。だが、動物が好きで動物関係の仕事をしたい、という熱い気持ちをもっていた方々が、動物業界の4K(きつい、汚い、危険、金がない)の現状を目の当たりにし、ついには熱意を失ってしまう。このような場面を数多く見てきた。また、結婚や出産を機に動物関係の仕事から退き、熱意がありながらも、就職先がなくなかなか現場復帰できていない方々も数多い。このような方々の存在は、動物好きな私からすると非常に残念なことであるとともに、日本社会においても就労機会の喪失という意味で多大なる損失である。4Kの現状を抜本的に改善し、このような方々が楽しく喜びをもって当たれる仕事を想像すること、これが現在の私の目指す姿である。
もしものときには動物病院へ!夏の注意点↓
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